今回は、補助剤についてです。
いきなりですが、私の結論としては
補助剤を塗りたい人は別に塗ってもいいと考えています。
この記事では、その理由や根拠について詳しくお話していきます。
補助剤に関する現在のルールとその欠陥
補助剤に関するルール
まず、現在の補助剤に関するルールは
後加工禁止
のみです。
これは、選手自身がラバーに対して変化を加えてはならないというもので
つまり、「メーカーから買ったものをそのまま使えよ」
ということです。
現在補助剤が禁止されているのは、このルールがあるからです。
つまり、選手自身が塗ることを禁止しているだけなのです。
補助剤禁止ルールの欠陥
ここで、この後加工禁止ルールの穴が浮き彫りになります。
現在のルールでは、後加工(選手自身が塗ること)を禁止しているだけであって、
メーカーが補助剤を塗った状態で選手に渡すことは禁止されていないのです!
そして、このメーカーが補助剤を塗るという行為は世界的にも認められており、
超有名ラバーのテナジーやディグニクスやキョウヒョウneo3などには市販の物でも、もともと少量の補助剤が塗られています!
ここまでなら問題は無いのですが、次の事情によってこのルールは大問題となります。それは
メーカーとつながりのある選手は補助剤をメーカーにより多く塗ってもらえる
ということです。
では、のディグニクス05を例として考えてみましょう。
まず、市販のディグニクス05には少量の補助剤が塗られています。
これは、もちろん誰でも購入可能で、問題ありません。
しかし!
ディグニクス05を使っている契約選手は、メーカーにお願いすることで、ルール上問題なく補助剤を塗ったラバーを使えるのです!
同じディグニクス05でも、メーカーとつながりのある選手は補助剤が沢山塗りたくられたものを使うことが出来るが、バタフライとのつながりが無い我々一般人は、補助剤が少量しか塗られていない市販のものしか使えないのです!
選手用と市販のものは、全くの別物なのです。
つまり、現在の補助剤に関するルールは
トップ選手をはじめとするメーカーとつながりのある選手は補助剤を使えるが、つながりのない一般人は補助剤を使えない
という状況を作っています!
この現状は明らかに不公平ですし、スポーツのルールとして不適切ではないでしょうか?
ITTF(国際卓球連盟)はなぜ補助剤を解禁しない?
次に、なぜITTF(国際卓球連盟)は補助剤を全面的に解禁しないのか?という疑問が生まれます。
補助剤が禁止となった理由
そもそも、補助剤(当時はスピードグルー)が禁止となった原因は、スピードグルーを塗っているときに呼吸困難に陥るという事故が起こったことにあります。
当時のスピードグルーには、危険な物質が入っていたため、十分な喚起をせずに使用することは大変危険なものでした。
そして、その危険を回避するためにスピードグルー(有害物質を含むもの)は禁止されたのです。
さらにその後、各メーカーが有害物質を減らした仮スピードグルーとなるものを開発するという、いたちごっこが始まったため、ITTFは後加工全面禁止に踏み切ったのです。
つまり、補助剤が禁止されている本来の理由は、危険だからということです。
現在の補助剤は危険ではない!
ここで、声を大にして言いたいのが、現在の補助剤は危険物質をほとんど含んでいないということです。
先ほども説明した通り、昔あったスピードグルーというものには、人体に有害な物質が入っていました。
しかし!
現在の補助剤には有害物質はほとんど入っていません!
今世界に出回っている補助剤は、人間に有害ではありません!
実は、若干の有害物質は入っているようですが、それはファインジップなどの正規ののりも同じです。
有害物質がほとんど入っていないのであれば、もちろん危険性は極めて低いです。
つまり、現在の補助剤を規制する理由は本来存在しないはずなのです!
したがって、本来ITTFは、人体対し危険度が低い補助剤であれば使用可能とするべきではないでしょうか?
実際にあった補助剤解禁論争について
補助剤解禁案については、ITTFでも何度か議論されています。
直近では、2018年5月に行われたITTFの年次総会(一年に一回の会議)でもアスリート委員会やITTFの執行委員会から安全な補助剤を解禁すべきだという提案がありました。
これに対し、ITTFの決定は、解禁は認めないというものでした。
現在のラケット検査では、補助剤を禁止することは出来ないということを承知の上で、解禁はしないと宣言したのです。
つまり、ITTFは正直者が馬鹿を見るシステムを肯定したということです。
明らかに非合理的な決定です!
ITTFには本来、解禁を阻む理由など無いはずなのに解禁をしない。というのはなぜなのでしょう?
色々な想像が出来てしまいます・・・
補助剤を塗ってもいい理由まとめ
私が補助剤を塗りたい人は別に塗ってもいいと考える理由をまとめると、
現在のルールは、メーカーとつながりのある人が有利になるという、スポーツの公平性を著しく害するものだから。
です。
このようなルールであると分かったうえでそれでも守るべきだ!
という考え方をお持ちの方は素晴らしいと思います。
しかし、私個人としては、このルールが放置されている今なら、「塗りたい人は塗ればいいんじゃない?」
くらいに考えます。
おわりに
今回は、補助剤問題について私の考えを書かせていただきました。
もちろん、賛否両論ある問題だと思いますので、反対意見についても受け止めますが、
こういう考えもあるということを頭の片隅に入れておいてもらえると嬉しいです!
具体的な補助剤の代わりとなるものやその塗り方については、卓球界の闇?補助剤の代わりと塗り方をご覧ください!