今回は、王子サーブのグリップと打ち方について私なりにお話しします。
そもそも王子サーブとは?というところから、打ち方やグリップについて。
また、実際良いの?効くの?という王子サーブの有効性に対する私個人の意見も書いています。
では本題です。
王子サーブって?
そもそも王子サーブとは?という話ですが、
まず王子サーブとは?を一言でまとめると、
大阪の王子卓球センターというところの作馬六郎さんという方が考案した、独特の持ち方から打たれるしゃがみこみサーブの一種です。
ただしゃがみながら出すサーブは王子サーブとは言わず、「しゃがみこみサーブ」や「トマホークサーブ」なんて呼ばれます。
しゃがみながら出すサーブが全部王子サーブでは無いということですね。
名前の由来
ちなみに「王子サーブ」という名前はこの「王子卓球センター」から来ており、元をたどれば地名から来ているもので、王子様、いわゆるプリンスとは関係ありません。
決して卓球の王子様サーブという意味ではありません。
王子サーブのグリップ
ではここから具体的な打ち方とその独特なグリップについてお話しします。
では本題です。
王子サーブときのグリップは、このように、人差し指と中指で挟むように持ちます。
また、出す回転によって持ち方を変えることがあるそうで、例えばナックルの場合は手首が効きにくいように人差し指を外してこのように持つようです。
回転によって持ち方を変えるところから考えても、握り方については神経質に考えず、「人差し指と中指で挟む」というところだけ真似すれば良いのかなとは思います。
王子サーブの打ち方とコツ
王子サーブの打ち方ですが、先ほどのグリップで、
中指側の面(普段のフォア面、この画像の赤面)で打ちます。
どの回転を出すかによって打ち方は変わりますが、ざっと説明すると
・横回転ならボールの左を取ってスイカ割りみたいに上から下に思い切り振り下ろす。
・横下回転ならボールの左下を左斜め上から右斜め下に思い切り振り下ろす。という感じです。
という感じです。
回転のかけ分け方に関しては普通に他のサーブと一緒ですね。
単純に、ボールの上or斜め上を取れば上になりますし、横を取れば横に、横下を取れば横下になります。
ここに関しては難しく考えず、他のサーブと同じように考えればかけ分けは出来るかなと思います。
ここで注意点?というか、せっかく王子サーブをするなら意識していただきたいことが、思い切り振るということです。
そもそも王子サーブの強みって何か?というと、回転量とスピードですよね。
逆に弱みが、一球一球しゃがんだところから立たないといけないことと、コントロールのしにくさです。
せっかく王子サーブを出すのに、そこで中途半端にコントロールを求めてゆっくり振るなんて、王子サーブの意味が無いです。
それなら普通のフォアサーブとか、もっとコントロールしやすいサーブで出したほうが良いですよ。
なので、せっかく王子サーブをするなら思い切り振り切って回転量とスピード重視で出すのがおすすめです。
王子サーブの有効性[王子サーブは昔のサーブ]
まず、ここからは完全な私見です。その前提でお話しします。
現代において、王子サーブが有効かというと、必ずしもそうではないのかなと思っています。
飛び道具的に1本や2本だけというピンポイントで使うならまだありかなと思いますが、これを主軸に戦うのはあまり得策ではないのかなと思います。
プラスチックボールで王子サーブの武器が奪われた
そう考える理由が、ボールの変化です。
卓球界ではこれまでに、
38mm→40mmセルロイド→40mmプラスチック
という2段階でボールは変化してきており、そもそも王子サーブが考案されたのは38mmボールの時代です。そして王子サーブの使い手、福岡春菜選手などが活躍したのはセルロイドの時代です。
38mm時代、またはセルロイド時代は変化とスピードが強かったものの、
ボールがプラスチックになったことによって回転量が減って、王子サーブのメリットである変化が極端に落ちてしまいました。
スピードという面では王子サーブは現代でもまだ勝負できると思いますが、一番の武器である「回転量」、「変化」といった要素が奪われてしまった今、王子サーブの有効性はそこまで無いのかなと思ってしまいます。
そもそも最近はシンプルなサーブが流行り
また、昨今はそもそものサーブからの戦術も、サーブは比較的シンプルにして3球目で狙う、もしくはラリーにするという戦術が増えてきたように思います。
丹羽選手のサーブ遍歴に関しては、2010年前後と2016年以降くらいを比べていただければ一目瞭然化と思います。
このように、プラボールになって回転がかかりにくくなったことにより、
そもそも卓球界全体で変化よりもコントロールや3球目重視のサーブが増えています。
王子サーブはというと圧倒的に変化やスピード重視のサーブですので、時代とは逆行しているのかなと。
サーブを出してからのもどりがきつい
また、私が現代において王子サーブが微妙と思う理由がもう一つあって、それがこのサーブを出してからの戻りがきついということです。
昔に比べて卓球が高速化しているのはよく言われることで、レシーブも打点が速く、速いボールが帰ってきやすくなっています。
そんな高速卓球の時代に、高速サーブを出して、さらにしゃがんだところから戻るってかなりきついんですよね。
ゆっくりのしゃがみこみサーブならまだ戻る余裕もありますが、王子サーブって高速なのが売りじゃないですか。
速いサーブを打てば打つほど速く返ってくるので、その分自分も早く戻らなければいけないのは当然で、すると現代において高速サーブをしゃがんで打つ余裕ってなかなか無いのかなと思っています。
飛び道具的な、一本限りの必殺サーブとしては健在かも。とはいえ・・・
もちろん、独特なしゃがみこむフォームからいきなり超スピードのサーブが来るのですから、
知らない人からすれば王子サーブは脅威だと思いますし、
一本限りの飛び道具的な性能は十分かなとは思います。
実際私は昔この用途で使ってましたし、入れば結構な確率で点になっていました。
が一方で、ミスが増える。私の技術問題でもありますが、他のサーブより圧倒的にリスクが高い。もちろんこれは、練習しろよ。という話なのですが、なんか感覚を忘れやすいんですよね。
他のサーブよりも感覚を忘れやすい気がします。一時期、ほとんどミスなく安定して出せていた時期もあったのですが、高校のテスト期間で2週間ほど練習出来なくて、以降安定しては出せなくなりました(笑)
私だけの問題かもしれませんが、常に練習していないと難しいサーブなのかなと思いますね。
実際に王子サーブ使う選手
ここまで現代における王子サーブについて否定的な意見をお話ししましたが、現代でも王子サーブを駆使して活躍する選手がいるのも事実です。
全国屈指の激戦区、大阪の高校で男子シングルスベスト4に入ってインターハイに出場し、さらにインターハイでもベスト32の選手がいます。現在は大学でご活躍されていますが、そこでも成績を上げられている選手です。
なので、王子サーブは一切使えない、死んだサーブだ!などということは無いでしょう。
が、私はそもそも難しいサーブをさっき上げたデメリットを踏まえたうえで練習するメリットはそんなに無いのかなと思ってしまいます。他のサーブや技術を練習したほうが効果的なんじゃないかと。ちなみに私は昔かなり練習しましたが(笑)
おわりに
今回は、王子サーブについて打ち方やそのグリップ、その有効性についてお話ししてみました。
私個人の意見としては、必要な練習量の割には見返りが小さいのでわざわざ練習する意味は薄いのかなと思います。
遊び感覚でやる程度が一番いいのかなーと。
もちろん個人の意見ですし、本気で練習するという方は是非やってみて下さい!
それでは今回は以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
関連記事もよろしければご覧ください。
本家の王子卓球の考えをすべて知っているというわけではありません。