今回は、厚さはとりあえず特厚で!といった選び方は愚か極まり無いということをお話しします。
つまり、ラバーの厚さによって性能にどのような違いが出るのかということです。
今のラバーよりもちょっと○○なものがいい!
といったときなど、厚さを調整するだけで解決する用具に関する悩みは、意外と多いものです。
つまり、厚さによる性能の違いを知っているとそれだけで大きなアドバンテージとなります!
是非、覚えて行って下さい!
厚いラバーの特徴
飛距離が出る
まず、厚いラバーの一番のメリットとして挙げられるのが、薄いラバーよりも飛距離が出るということです。
これは一見メリットに思えますが、飛距離が出ることはデメリットも含んでいます。
メリット
少し離れたところからでも強い球を打てるので、
中陣や後陣でのラリーは完全に厚いラバーに軍配が上がります。
また、前陣でのラリーでも、薄いラバーより深いところに打てるので、
より攻撃的なボールが打てます。
つまり、全体的に上回転のラリーは厚いラバーのほうが強いと言えます。
デメリット
飛距離が出るということは、逆に言うと、飛ばさないことが難しいということです。
つまり、飛ばさない技術が難しいのです。
具体的には、ストップ、ツッツキや、ループドライブなどです。
ストップは基本的には2バウンドさせるために飛距離を抑える技術ですし、
ツッツキとループドライブは飛ばないほうが思いきり回転をかけることが出来ます。
(飛距離が出ると、それを抑えるために回転量を落とさざるを得ない)
つまり、厚いラバーは小技がやりにくいということです。
回転量の最大値が高い
次のメリットは、回転の最大値が高いということです。
スイングスピードが速い人(素直に卓球が上手い人)は、厚いラバーを使ったほうが回転量のあるボールが出せます。
ただし、技術が身についていない人が使うと、薄いラバーでも厚いラバーでも回転量はあまり変わりません。
むしろ、飛距離が出てしまうが故にそれを抑えようとスイングが緩くなり、回転量が落ちる結果にもつながります。
打球感が柔らかい
厚いラバーのほうが、同じラバーでも打球感は柔らかくなります。
正確に言うと、球持ちがよくなります。
なぜなら、厚いラバーは薄いラバーよりもラバーに深く食い込むからです。
ラバーに深く食い込むと、ラバーに当たっている時間が必然的に長くなるので、球持ちがよくなる(長くなる)わけですね。
この球離れの差を時間にすると0.0〇秒とかの話なのですが、本人の打球感覚としては大きな差になります。
なので、今使っているラバーからほんの少し柔らかくしたいという方は、ラバーを厚くするのも一つの選択肢になります!
ちょっと脱線
卓球では、よく球持ちという言葉が使われますが、これは球離れの反語です。
つまり、球持ちがいいということは球離れが悪いということで
球離れがいいということは球持ちが悪いということになります。
それぞれにメリット、デメリットがあり、球持ちがいいからいいとか、球持ちが悪い(球離れがいい)からダメ
ということはありません。つまり、どちらがいいかは、個人のプレーや好みによるところだということです。
薄いラバーの特徴
薄いラバーの特徴は、基本的には厚いラバーの逆と考えていただいて間違いありません。
つまり、薄いラバーは
- 飛距離が出ない(比較的)
- 回転量の最大値が低い
- 打球感が硬い
- 球離れが早い
といった特徴を持っています。
よって、それぞれの解説も上の厚いラバーの特徴の逆になりますので、詳しくは省かせていただきます。
厚さによる技術別の違い
次に、厚いラバーと薄いラバーのメリット、デメリットを技術別の視点から考えていきます。
*「ドライブ、スマッシュ」など、1つの場所に2つ以上書いているのは、厚さによって同じような違いが出るものなのでまとめて解説しているということです。
ドライブ、スマッシュ(前陣)、チキータ
ずばり、厚いほど威力が出るけど薄いほど安定するです。
先ほども説明した通り、厚いほど回転量の最大値が高いので、振り切った時の威力は厚いほうが出ます。
また、コートの深いところにボールが行きやすいため、厚いほうが相手のミスが増えます。
しかし、厚いラバーは飛距離がでるため素直にオーバーミスが増えます。
その点、薄いラバーは飛距離が無いからネットミスが増えるかというと、そうでもありません。
これは、飛距離が出ないといっても、ネットは超えるくらいは出るから。という単純なことです(笑)
つまり、薄いラバーほどオーバーミスが減って結果的にドライブやスマッシュが安定するということです!
ドライブ(中後陣)、ロビング
中陣や後陣からのドライブは、厚いほうが飛距離が出るために安定し、威力も出ます!
そして、ロビングも厚いほうが安定させやすいです。
つまり、中後陣においては、ほとんどの場合厚いラバーが圧倒的に良いです。(唯一中後陣で薄いラバーが有利なのがカット)
したがって、カットマンでなければ中後陣では厚いラバーが有利です!
もし卓球が中後陣のラリーのみのスポーツだったら、厚いラバーを選ばない理由はありません(笑)
ブロック
ブロックに関しては、完全に薄いラバーがやりやすいです。
まず、ブロックにおける評価ポイントが、
- 安定するかどうか
- 初速(球離れ)が早いかどうか
の2点です。
もちろん安定したほうがいいですし、球離れが早いほうが相手の余裕を奪うことが出来ます。
そして、この2点を薄いラバーはどちらも備えています!
つまり、薄いほうが安定して、さらに相手のミスを誘いやすくなるのです。
ツッツキ、ストップ
これらの技術に関しては上でも軽く説明しましたが、完全に薄いラバーに軍配が上がります。
ツッツキの際は、薄いラバーのほうが飛距離が出ないため、回転をかけても収まってくれます。
したがって、薄いほうがより強い回転を自分からかけることが出来ます。
ストップの際も、薄いほうが飛距離が出ないために単純に2バウンドさせやすいです。
他にも、カットブロックやショートサーブなども同様の理由で薄いほうがやりやすいです。
まとめ
全体を短くまとめると、
薄いラバーは安定しやすく、小技がやりやすい
厚いラバーはとにかく威力が出せ、中後陣に強い
といった特徴を持っています。
初中級者には特厚より厚や中がおすすめ
ここからは個人的な意見ですが、
初中級者は薄めのラバーを使ったほうが試合では勝ちやすいと考えています。
なぜなら、薄いラバーのほうが初中級者の試合でよく使われる技術がやりやすく、さらにプレーが安定するからです。
初中級者の試合は、ドライブやスマッシュのフルスイングよりツッツキ、ループドライブ、ブロックなどが多くないですか?
初中級者の試合では、ドライブは威力が出てミスが多いよりも安定してる選手のほうが強くないですか?
これらを考えると、初中級者は特厚よりも厚や中のほうが勝ちやすいのではないでしょうか。
プレースタイル的によく台から下がるし、より飛距離が欲しいから特厚。などといった理由がはっきりとある方はもちろん特厚を貼ったほうが良いでしょう。
しかし、「厚さはとりあえず特厚貼っとけばいいでしょ」というような考え方で特厚を貼るは止めてください。
とりあえずという考えで選ぶなら、個人的には厚がおすすめです。
この記事が何かのきっかけになれば幸いです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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コメント
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